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Japan Blog

パブリックポリシー

ユーザー体験の向上とモバイルエコシステムの成長を維持するために



モバイル エコシステムの運営方法、そして、プラットフォームが開発者やユーザーに十分な選択肢と柔軟性を提供するために優れた政策が果たす役割について、世界的に多くの議論がされてきました。Google は、こうした議論の内容を注意深く見守っていますが、この領域に関する方針は、モバイル、デスクトップ、IoT 機器のいずれにおいても、エコシステム全体のイノベーションの促進、セキュリティの担保、ユーザー体験の向上といった基本原則に基づくものであるべきと考えています。そして、これらの基本原則は、デジタル市場競争本部により発表された報告書において掲げられている政策目標とも合致していると、Google は理解しています。

Google は、モバイルエコシステムは次のような役割を果たすべきであると考えています。

  • ユーザーが、どこからでもアプリやゲームをダウンロードできるようにすること。OS は、複数のアプリ ストアに対応し、ユーザーが開発者から直接アプリやゲームを入手できるようにすべきです。
  • データ・ポータビリティを促進し、ユーザーが容易に、異なる企業のサービスへ乗り換えられること。
  • 主要な OS はユーザーのプライバシー保護機能を予め組み込み、アプリストアやブラウザ、開発者に高い安全基準を満たすことを義務付け、引き続きユーザーが安心・安全に使えるようにすること。
  • 開発者に関する非公開データを、競合する製品やサービスの開発のために使用しないこと。
  • ユーザーや開発者そして業界団体と今後の方針について率直に議論し、予測可能な方法でその方針を実行すること。また、彼らと協力して問題に対処し、問題が発生したときには明確な異議申し立て方法や是正方法を提供すること。
  • ユーザーのプライバシーを保護する合理的な措置を施した上で、開発者がユーザーと直接的な関係を築くことができるようにすること。

これらの原則は、モバイルの黎明期における経験に根差しています。Google は、Android のような無料かつオープンソースの OS が安全に、そしてユーザーに対する選択肢の提供を重視して構築されていれば、ユーザーや開発者の皆様にとって有益であり、スマートフォンのエコシステム全体の成長を支えることができると信じて、前例のない試みに挑みました。当時、プラットフォームを支えるビジネスモデルには、OS のライセンス料を徴収するものや、利益率の高いハードウェアを販売するものなど、さまざまな選択肢がありました。私たちは、OS とアプリ ストアに最小限の制限をかけて無料提供するという、これまでとは異なる方法を選びました。

また、モバイルエコシステムは、プラットフォーム事業者と開発者双方が経済的に成功できるビジネスモデルであるべきです。多くの利害が複雑に関連するプラットフォームのビジネスモデルは、関係する全ての人の成功と一致すべきです。

長年にわたり、Google は Android を始め、モバイルエコシステムの発展に多大な投資をしてきました。Google も他の企業と同様 、モバイルへの取り組みに継続投資することが可能なビジネスモデルの構築が必要です。現在、Android は世界中のスマートフォン会社の何万もの機種に採用され、200 万人以上の開発者が Google Play を利用して、190 か国 25 億人以上のユーザーにアプリを提供しています。

Android と Google Play は、アプリ内でデジタルコンテンツを販売する開発者が支払う手数料によって成立しています。これはテクノロジー プラットフォーム全体に共通するモデルです。全世界の開発者の 97% は、デジタルコンテンツを販売していないため、サービス料の支払い対象ではありません。Google は、デジタルコンテンツを販売する開発者全員に一律的なルールを適用するのは現実的ではないと考え、開発者のエコシステムからのフィードバックに基づいてビジネスを進化させてきました。そして、さまざまなビジネス上のニーズに対応するため、多くのプログラムを通じた料金体系を提供しています。昨年発表したプログラム(英語)では、全世界の 99 %の開発者が 15 %以下のサービス料で利用でき、開発者の皆様からも好評をいただいています。

モバイルプラットフォームは、ユーザーの選択肢と安全性への期待、開発者の皆様の革新や成長への欲求、そしてそれらが存続できるようなビジネスモデルの必要性を観点に、バランスをとりながら構築していかなければなりません。Google は、ユーザーをエンパワーし、選択の機会が確保され、そして関係する全ての皆様の成功をサポートする活気ある開かれたプラットフォームを構築する、という確固たる目標を掲げつつ、引き続きデジタル市場競争本部とのこの重要な分野に関する議論に貢献していきたいと考えています。