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AI

大阪大学と Google、皮膚状態検出モデルの検証に関する共同研究を発表



大阪大学と Google は、AI を活用した皮膚状態検出モデルの有効性を検証するための共同研究契約を締結しました。

Googleは、外部の専門家らとともに、写真に基づいて皮膚の状態を検出する機械学習モデルを開発し、2020 年に Nature Medicine で発表しました。最近では、このモデルを活用して、ユーザーが Google Lens で皮膚の状態を検索できる機能を提供しました。

今回の共同研究では、大阪大学と Google は、この機械学習モデルの有効性を日本において評価することで、検出精度を向上させ、皮膚の状態や治療法に関するより適切な情報の提供を目指します。

皮膚の状態に不安を抱えた人は世界で 20 億人おり、そのうち70 % 以上の人が、まずオンラインの検索から症状の特定や治療法を探しはじめています。一方で、オンライン上には、不正確な情報や有害な情報も存在します。機械学習を活用することで、あらゆる人が皮膚の状態や治療法に関するより適切な情報にアクセスできるようになることで、これらの懸念を軽減したり、皮膚科への適切な受診を促すことができる可能性があります。AI モデルを安全に適用するためには、多数の異なる集団での有効性を評価する必要があります。

本共同研究では、大阪大学病院で撮影された約 10,000 人の皮膚写真を個人が特定できないように完全に匿名化したものを分析します。これらのデータは、高水準のセキュリティと暗号化の基準に準拠した環境下で保存されます。研究に使用されるデータは大阪大学が管理し、個人を特定できる情報は研究者が分析を行う前に完全に削除されます。

大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学の藤本学教授は次のように述べています。

「皮膚疾患は、見た目に変化が生じ、かゆみや痛みがあったりして生活の質を落とし、ときには生命に関わることもあります。夜間や勤務中など、急に発症することもあり、信頼している皮膚科医師をすぐに受診できないこともあるかもしれません。

こうした問題に対し、GoogleのAI 技術は新しい解決策を提供できる可能性があります。この AI 技術を用いれば、世界中の誰もが、気軽にアクセスでき、いつでもどこでも利用できる形で、皮膚疾患に関する正確な情報を入手することが可能になります。

この技術によって、皮膚疾患に悩む多くの方々が、より正確な情報を得ることができ、皮膚に関する悩み解決の一助になることが期待されます。このように、未来の医療では、医療者とAI の連携が不可欠であると言えるでしょう。私たちは、このように革新的な技術にチャレンジしながら、皮膚疾患に悩む方々の生活の質の向上に貢献していきたいと考えています。」

Google は、本日発表した共同研究が、皮膚疾患検出における AI モデルの公平性を高め、日本だけでなく、世界中のあらゆる人が皮膚の状態や治療法に関するより適切な情報にアクセスできるよう取り組んでまいります。