パーソナライズページのあるべき姿 石原: iGoogle のようなパーソナライズページサービスは数多く提供されています。この状況についてご意見をお願いします。
安藤さん: パーソナライズとは、その言葉とおり自分用にカスタマイズすることであり、私は究極のパーソナライズは個人が何もしなくても勝手に自分用になっていくことだと思っています。現状は、この究極的な地点にたどり着く途上なのでしょうね。
iGoogle には面白い機能があります。新たに iGoogle のタブを作成する際にタブの名称を 「 Recommendations 」 とし、「 I’m Feeling Lucky - タブ名に基いてコンテンツを自動的に追加します。」 にチェックを入れると、そのユーザ向けのお勧めのガジェットを自動で登録してくれるのです。勝手に自分用にカスタマイズという究極の姿がこの発展形ではないでしょうか。
ブラッド: この 「 Recommendations 」 はGoogleでの各ユーザの検索履歴に基づいて生成しています。
矢野さん: iGoogle の構成やデザインを公開したり、誰かに送ることはできるのですか?
ブラッド:タブを丸ごと送ることができます。また、テーマもタブとは別になりますが送ることができますよ。
矢野さん: なるほど。これだけたくさんのガジェットがあると、自分が欲しいものを探すのに一苦労しますよね。そこで、自分が気になる方、たとえば、川崎さんの iGoogle をそのまま使わせてもらうことができれば楽だろうなと思ったのです。
安藤さん: いずれ、自分の iGoogle タブを提供することを商売にする人が出てくるかもしれませんね。
寺井さん: このタブの共有機能を家族のデジタルデバイドの解消に役立てられないかと考えています。たとえば、祖母にさまざまな ウェブサイトをいっぺんに見せることはとても大変です。そこで、近所の安売り情報など必要な情報だけが得られるガジェットを iGoogle のトップページに登録しておけば、祖母のような不慣れなユーザも利用してくれるようになると思います。
使ってもらえるガジェットの作り方 石原: iGoogle は Google ガジェットの集まりです。ということは、Google ガジェットを使いたいと思わせなければ iGoogle も使ってもらえません。では、どうすれば使ってもらえる Google ガジェットのアイデアが生まれてくるのでしょうか? 昨年の
Google Desktop Gadget コンテンスト ( 英語 ) で受賞された井上さんの経験を教えてください。
井上さん: 私は「
日本の天気予報プラグイン for Google デスクトップ」という天気予報ガジェットを作りました。Google デスクトップ標準の天気予報が日本に対応していなかった、ならば自分で作ろうという、とても単純な理由からです。
石原: まずは自分が使いたいものを作るのが一番というわけですね。
安藤さん: 先ほどの寺井さんの話を例とすれば、おばあさんが何を求めているかを考えてみるということでしょう。一人称、二人称で考えると良いアイデアが生まれてきます。
石原: 他にも便利な Google ガジェットの条件はありますでしょうか?
安藤さん: やはり小さい Google ガジェットが良いと思います。画面サイズには限りがありますし、1 つで何でも出来るものよりも、単機能でシンプルなものが Google ガジェットには適していると思います。目的に応じてシンプルな Google ガジェットを組み合わせるのが理想的ではないでしょうか。
川崎さん: 情報配信元であるメディア企業がもっと積極的に Google ガジェットに関わることで、さらに便利な Google ガジェットが生まれるかもしれませんね。
木下さん: メディア企業の関わり方については、私は異なる見解です。既存のメディア企業はユーザーに対してどれだけ多くの時間、その情報に接触させるかを目的としています。しかし、iGoogle はとても手軽なツールであり、この情報への接触の時間を減らしてしまうやもしれません。
及川:既存のメディア企業にとってはユーザとの接点が増えるという点で、反対に、Google ガジェットは良い意味を持つ可能性もあるとも言えるのではないでしょうか。Google はなるべくユーザのGoogleページ上での滞在時間を減らし、素早く目的の情報へ誘導するように心がけています。これと同じように Google ガジェットを通じて情報源となるメディア企業へユーザを簡単に誘導することができれば彼らの目的と反することはないと思います。
石原: 情報の流れという意味では、今まではメディア企業から一本の流れでユーザに届いていた情報が、Google ガジェットを追加されたガジェットを通じて新しい流れが生まれ、より多くのユーザにリーチできるようになるかもしれません。ガジェットの開発者がどんどん新しいガジェットを作り、この情報の流れの拡大に大きな役割を果たしていただけたらうれしいですね。
今回は交流会の前半をお届けしました。この後、もう少し具体的な Google ガジェットの作り方が話題となりました。
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