Google Earth の提供開始から 15 年間で、数十億人が Google Earth を利用し、エベレストに登ったり、自分の故郷を巡ったりするなど、地球の様々な場所を探索してきました。提供開始以来、わたしたち は、世界のあらゆる場所を見ることができる 3D のデジタル地球儀の開発に注力してきました。Google Earth は、多くの人に楽しんでいただきながら、様々な視点で活用され、世界にポジティブな変化を生み出しています。
今回追加した新機能「Google Earth タイムラプス」で、地球をまた新しい視点、つまり「時系列」で見ることができるようになりました。本機能は、過去 37 年間に撮影された 2400 万枚の衛星写真をインタラクティブな 4D 体験にまとめました。これにより、誰もが時間をさかのぼって、約 40 年分の地球の経年変化を見ることができます。
半世紀の間に地球は急速な環境変化に直面しています。しかしながら、氷山の溶解や氷河の後退といった気候変動による影響は、実際に目で見たり体験したりしていないと、なかなか実感し難いかもしれません。Google Earth タイムラプスを使うことで、地球上に起こっているあらゆる場所における環境変化や開発の過程、数十年間かけて変化する美しい自然現象を把握できます。
Google Earth タイムラプスは、g.co/Timelapse にアクセスし、右側の検索バーから地球上で確認したい場所に行き、遡りたい時間を設定するだけでお使いいただけます。
また、Google Earth の Voyager アイコンをクリックして、インタラクティブなガイド付きツアーでタイムラプスを見ることもできます。他にも、800 を超えるタイムラプス動画を 2D と 3D で公開しています。動画は、 MP4 プレイヤー、または YouTube でお楽しみいただけます。政府、研究者、コンテンツ提供者、教育者など、様々なユーザーに Google Earth タイムラプスをご利用いただき、地球が直面している課題や各都市の発達の歴史の理解に役立ていただければ幸いです。
ブラジルのロンドニア州で、スルイ族によるアマゾン熱帯雨林の保護活動がもたらした変化
サウジアラビアのジャウフ州で、砂漠で農業が行われていく様子
ネバダ州ラスベガスの拡大
クウェートのクウェート市の変化
日本の羽田空港周辺の 変化
地球の変化の原因を理解する
Google は、カーネギーメロン大学の CREATE Lab の専門家と協力して、タイムラプスを動かすテクノロジーを開発しました。
地球が直面している変化を観察すると、森林の変化、都市の成長、気温の上昇、エネルギー源、そして世界の儚い美しさという 5 つのテーマが浮かび上がってきました。Google Earth では、ガイド付きツアーでそれぞれのテーマについて理解を深めることができます。
Google Earth のタイムラプスでは、アラスカのコロンビア氷河の後退など、5 つのテーマ別ストーリーを通じて、地球上の急速な変化を見ることができます。
地球の時間変化を手の上に
今回、タイムラプス動画を作成するために、Google の地理空間分析用クラウド プラットフォームである Earth Engine で「ピクセルクランチ」という処理を行いました。具体的には、タイムラプス アニメーションを Google Earth に追加するために、1984 年から 2020 年にかけて 2400 万枚を超える衛星画像を収集しました。この数は、千兆ピクセルに該当します。20 ペタバイトの衛星画像を 1 つの 4.4 テラピクセルサイズのビデオモザイクに変換するには、Google Cloud の数千台のマシンで 200 万時間以上の処理時間を費やす必要があります。これは、4K 解像度で 53 万本の動画に相当します。そして、これらすべての処理は、カーボンニュートラルで 100% 再生可能エネルギーに適合したデータセンターで行いました。これは、カーボンフリーの未来の構築を支援するという Google の取り組み(英文)の一環です。
これらのタイムラプス動画の提供は、オープンで誰もがアクセスできるようなデータ公開の取り組みを行う米国政府と欧州連合の多大なる協力によるものです。そして、もちろん、知識と探求の精神のもとに、ロケット、探査車、衛星、宇宙飛行士を宇宙へ送る彼らの長年の取り組みにおける努力によって実現しました。Google Earth のタイムラプスは、NASA と米国地質調査所のランドサット プログラム (世界初、かつ最も長く続く民間の地球環境観測プログラム) や、欧州連合のセンチネル衛星によるコペルニクスプログラムなしでは実現し得ませんでした。
タイムラプスが生成される過程
タイムラプス動画は、高度な 3D グラフィック レンダリング技術を使用して、地表の山、谷、建物などの上に重ねています。Google Earth のタイムラプスでは、現在地、画角、ズームレベルに適した動画がその場でシームレスにつなぎ合わされ、パン、ズーム、探索に応じて更新されます。
1984 年から 2020 年までに撮影された 2400 万の衛星画像を分析し、画像から雲などの要素を特定して削除しました。次に、1984 年から 2020 年までの各年の画像で、地球上のすべての場所に対してピクセル単位の計算処理を行うことで、雲のないタイムラプス動画を生成しました。
タイムラプスでは、ケープコッドの砂浜がゆっくりと南に移動する様子など、美しい自然の地質学的変化を見ることができます。これらの経年変化は、「目を奪われる変化」コレクションで見ることができます。
タイムラプスでできること
海岸線の変化、都市の進化、森林破壊などをタイムラプスで体験し、共有することができます。Google Earth のタイムラプスは、広い視点から私たちの住む地球が直面する変化を観察し、理解や行動を促すためのツールです。
視覚的な情報は、言葉では伝えきれない議論の核心に迫ることができ、人々に対して複雑な問題を伝えることができます。一例として、気候変動について教えるためにタイムラプス画像を使用することを計画している Liza Goldberg の取り組み(英文)を見てみましょう。また、2020 年の受賞歴のあるドキュメンタリー「Nature Now」では、衛星画像を使用して、地球における人類による影響の拡大を示しています。
今後 10 年間のタイムラプス
Google はパートナーと協力し、今後 10 年間、Google Earth に新しいタイムラプス画像を毎年追加していく予定です。この機能により、地球全体を見る俯瞰的な視点が議論の土台となり、新たな発見が促され、地球規模の課題のいくつかについての人々の考え方の変化に繋がることを願っています。
Posted by Google Earth チーム